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Microsoft Office
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Microsoft Office の特徴
Microsoft Office
企業内で利用されているパソコンというと、Windowsマシンが大半を占めます。Windowsマシン上で利用するソフトウェアでは、Microsoft OfficeのWordやExcel、PowerPointを使用するユーザーが殆どでしょう。最近では企業内で資料として作成したこれらのデータが印刷用データとして入稿されることも多くなってきています。そして、これらのソフトウェアは、従来DTP編集作業で利用されてきたソフトウェアとは、目的も用途も異なることから、ファイルが開けない、正しく出力できないといったトラブルが発生することもあります。まずは、Microsoft Officeの特徴を知り、これをスムーズに出力できるようになるための基礎知識を整理しておきましょう。
Microsoft OfficeとDTP
一般企業内で利用されているMIcrosoft Office製品には、Word、Exce、lPowerPoint、Accessがあります。これらのデータのうち、主に印刷用原稿として入稿されるのは、 Accessを除く3ソフトのデータです。この中でもワープロソフトのWordが最も多く、印刷物の種類もリーフレットやチラシ、数百ページの論文冊子など多様にあります。また、表計算ソフトのExcelでは、ページ概念がないため、ワークシートと呼ばれる計算表のような画面いっぱいに使ったチラシやポスターなども入稿されます。プレゼンテーションデータ作成のPowerPointは、学会や発表会で使用するデータの作成に利用されています。データを小冊子にしたり、展示パネルやポスターにするためのデータとして入稿される場合もあります。
Officeのしくみとファイル内容
Wordでデータを作成する場合、作成環境で使用するプリンタドライバ([通常使うプリンタ]に設定してあるプリンタ)から情報を得て、体裁が決まります。一般企業でPostScriptプリンタを使用していることは稀ですので、基本的に最終出力(印刷会社の高解像度出力機)とは異なるプリンタから情報を得てドキュメントができあがります。
このため、制作元と同じバージョンを開いても、体裁がくずれる場合があります。
これを回避するためには、最終出力機のプリンタドライバを利用してドキュメントを作成することが最も簡単な回避方法です。
しかし、制作サイドでは、実際につながっていないプリンタ用の情報でデータを作成するため、制作サイドで保有しているプリンタで出力すると正しく出力できないというデメリットもあります。
Macintosh版Microsoft Office
Macintosh版Microsoft OfficeもDTP業界では利用されている場合があります。入稿データとしてMacintosh版のOfficeデータが持ち込まれることは稀ですが、Macintosh DTP環境下で外部とのデータやり取りに際して、 Officeデータを扱うために利用している会社もあります。
Macintosh版のOfficeでは、Windowsの標準フォントであるMS明朝、MSゴシックがインストールされます。入稿されたWindows版のOfficeデータでこれらのフォントを使用している場合には、画面上で確認することができます。ただし、プリンタドライバの問題から体裁はくずれる場合があります。
Macintosh版のOffice環境では、WindowsのTrueTypeフォントをすべて利用することはできませんので、完全な互換性は望めません。また、バージョンによって機能の違いも多少ありますので、Windowsで作成したOfficeデータのおおまかな確認はできても、高解像度出力用に利用することは現実的とは言えないでしょう。
GDIとプリンタドライバ
Macintosh DTPでは、DTPソフトウェアがPostScript言語を記述できる能力を持っていますが、WindowsのビジネスソフトはPostScriptを記述できません。
そのため、画面表示を担当しているOSの部品であるGDIが仲介役をい¥しています。GDIは、ソフトウェアからの出力命令があると、画面の描画情報をプリンタドライバに送ります。これをプリンタドライバがPostScript言語に変換し、出力機器に送信しています。GDIとは、グラフィカル・デバイス・インターフェイスの略で、プリンタや画面への描画を一括して引き受けています。つまり、OfficeなどのプログラムはこのGDIに対して出力処理を行えば、あとは、GDIの方で出力機器に対して出力を行ってくれるわけです。
そして、このGDIと出力機器とのやり取りをサポートするのがデバイスドライバです。プリンタに対して出力を行うのであれば、プリンタドライバを、画面(グラフィックカード)に対して出力を行うのであれば、ディスプレイドライバを通して出力されるのです。
プリンタドライバがPostScript記述を行っているため、ドライバのバージョンやOSに添付しているドライバの種類などを理解しておくことも大切です。
Microsoft Office DTPの注意事項
Windowsのビジネスデータを印刷物のデータとして扱う場合、Macintosh DTP環境とは異なる注意点がいくつかあります。
■色の違い
OfficeデータのRGB色色指定は、CMYK変換によって濁った色味となります。クライアントなどに、これをサンプルチャートでご理解していただいてください。RIP(InRIPセパレーション機能)が対応している場合、墨部分の生成うぃRIP側で指定できます。
■TrueTypeフォント
TrueTypeフォントは市販のものが多数出ています。Macintosh DTPと同様に、製版、印刷サイドで保有しているフォントを明示して制作側で使用できるフォントの範囲を明確にしておきます。事前に使用するフォントを確認しておいてください。なお、TrueTypeフォントのPostScript出力は、出力機がType42送信に対応していることが前提条件です。
なお、プロポーショナルフォント(フォントの名にPのつくもの)は正しく出力できない場合がありますので、出力側が保有している場合でも、高解像度出力機で正しく出力できるものかをテストしてみてください。
■レイアウト体裁
制作元と出力先のプリンタドライバや、ソフトウェアバージョンの違いによってレイアウト崩れが発生します。お互いの環境を合わせるか、事前にその詳細を確認しておくと良いと思います。通常の入稿データ同様、出力ゲラを添付して入稿していただくと幸いです。
■出力用PDF
近年、Windows DTP環境では、出力時にPDFデータに変換後、RIPへ転送する方法が取られています。この場合、OfficeデータからAcrobat Distillerを使用してPress用途のPDFを作成し、それを出力機に転送します。このときPDF内の色はRGBデータになります。このPDFをRIPに送信し、RIP側で色分解を行います。RIPによっては、PDF出力、RIP内色分解に対応していない場合がありますので、注意してください。
また、Acrobat 6.0では、印刷コマンドの詳細設定で色分解指定ができます。これを利用して高解像度出力をすることもできます。今後、Windows DTPでの高解像度出力にはPDFデータの運用が一般的になると思われます。