PDFを使用した運用についての概要

PDF Information

PDF/Xとは

PDF/X-1a、PDF/X-3 や PDF/X-4 などのPDF/X ~とは特別なPDF 形式ではなく、印刷に必要な内容のルールに従って作成されたPDF ファイルのことで、ISOで策定されている規格です。印刷用途のPDF を流通させるための目的で策定され、現在PDF/X は「PDF/X-1a」「PDF/X-3」「PDF/X-4」の3 つの種類に分類されています。(2008年2月現在)

PDF/X は、Adobe IndesignCS以降やAdobe Acrobat などのアプリケーションで作成することができます。なお、PDF/X-PlusJ という規格がありますが、これはPDF/Xで決められていない項目について媒体別など、更に細分化したルールを設けたもので、ISO とは別に管理されている規格ですがあくまでPDF/X をベースにした規格です。

 

PDF/X-1a、PDF/X-3

PDF/X-1a、PDF/X-3 はPDF1.3 をベースに「フォントは全て埋め込むこと(エンベット)」や「OPI 使用禁止」などの決まりがあるフォーマットです。この2つについての基本的部分は同じですが、持てる色空間が異なります。PDF/X-1a はCMYK +特色の色空間に限定されていますが、PDF/X-3 はこれに加えRGB、Lab も許可されているフォーマットです。AdobeCS などのDTP アプリケーションから直接PDF/X-1a、PDF/X-3 へのファイルの書き出しを行なう際は、DTP アプリケーションで透明効果の分割統合、レイヤーの統合を行うため、ドキュメントの作成状態によりアプリケーションのネイティブファイルの書き出しよりも多少保存時間が必要となります。なお、PDF/X-1a、PDF/X-3 を作成するには、Adobe IndesignCS 以降、Adobe IllustratorCS以降またはQuarkXPress8 で直接作成するか、Post ScriptをAdobe Distillerを使用して作成することが可能です。

 

PDF/X-4

基本的な内容は上記のPDF/X-3 と同じですが、PDF のバージョンが1.6(Adobe CS3、CS4 でのデフォルト設定ではPDF1.4 )で、透明効果が許可された新しい規格です。PDF/X-4 の形式の場合、透明効果などはそのまま保持されていて、PDF ファイルの書き出しにはネイティブの場合とほぼ同じ時間で作成ができます。透明部分の処理などはレンダリング時にRIP(Adobe PDF Print Engine)で行なわれます。DTP アプリケーションからPDF を書き出す際に透明効果を分割統合しないためPDF の書き出しがPDF/X-1a に比べ高速になり全体的な生産性が向上します。PDF/X-4は、Adobe IndesignCS3、Adobe IllustratorCS3、Adobe Acrobat8以上のアプリケーションでサポートされています。なお、Post Script 経由ではPDF/X-4 を作成することができないため、Adobe Acrobat Distiller では作成することはできません。また、透明効果がそのまま保持されるため、RGB ワークフローを行なう場合に適してします。PDF/X-3 もRGB、Lab が許可されていて使用することができますが、透明効果がRGB 画像にかかっている場合、必ずCMYK に変換されてしまうなどの問題があるからです。